
OKIがビジネスホンの受発注をBtoB ECに集約し、
複雑な見積もり業務を効率化
〜パートナーと営業、それぞれに寄り添った機能と計画でスムーズな移行を実現〜
複雑な見積もり業務を効率化
〜パートナーと営業、それぞれに寄り添った機能と計画でスムーズな移行を実現〜
沖電気工業(OKI)様がecbeing BtoBでビジネスホン専用ECサイト「Tele Smart Order」を構築。見積集中センターの立ち上げと合わせ、属人化していた見積業務の効率化とエンドユーザー情報の可視化を実現した事例です。
・OKI/パートナー企業それぞれ販売結果のデータ活用。
・営業担当者による属人化した見積もり業務の効率化。
・見積および販売のデータをシステムへ蓄積させることで共通の実績データ蓄積の実現。
・サイト構築および見積集中センターの立ち上げで営業の見積もり業務の負担を軽減。
OKIは、1881年の創業以来140年以上の歴史を持つ情報通信機器メーカーです。電話機の製造からスタートし、現在は通信機器、店舗ソリューション、ネットワーク機器など幅広い分野で事業を展開しており、「進取の精神をもって、社会の大丈夫を創っていく」というパーパスを掲げ、社会課題の解決に取り組んでいます。
同社は2026年2月、ビジネスホン専用のBtoB ECサイト「Tele Smart Order」をecbeingで構築しました。今回のシステム導入は、OKI社内の業務効率化だけを目的としたものではなく、販売パートナー様とのやり取りの中にあった課題を、双方にとってより良い形で解決したいという想いから、最新のECサイトパッケージシステムを活用し、パートナー様に使いやすい仕組みづくりを目指したものです。
今回は、サイト構築の背景から機能やデザインの工夫、苦労した点など、ご担当者様に詳しくお話を伺いました。
OKI 会社概要

「Tele Smart Order」 ログイン画面
<社名>
沖電気工業株式会社
<設立>
1949年(創業1881年)
<事業内容>
通信機器・情報処理・メカトロシステム・EMS・プリンター等の開発、製造、販売およびソリューションの提供
<資本金>
44,000百万円
OKIとパートナー、双方の課題解決を目指したシステム導入
ビジネスホン専用ECサイト「Tele Smart Order」を新規構築された背景や目的についてお聞かせください。

背景としては、当社のPBX、ビジネスホン事業は、パートナービジネスが大きく支えています。そうした中で、パートナー様とOKI双方の業務効率化が大きな目標としてあり、具体的にはまずパートナー様(代理店)の発注業務の効率化が挙げられます。パートナー様によってビジネスホンの発注形態が異なり、一部のパートナー様はFAXを使用されているなど、アナログな部分が残っていたため、そこを変えたいというのがひとつ。
もうひとつは社内側の課題として、見積もり業務がOKI営業担当者ごとに属人化してしまっている部分がありました。これは単にOKI側の負担を減らすことだけが目的ではなく、パートナー様への提案活動やご訪問に更にリソースを使えるようにしたいという想いからです。当社の営業担当者には新たな案件創出に向けたパートナー様訪問や同行対応などのプッシュ対応にリソースをより一層使ってほしいという考えが背景にあります。対応としては、営業担当がExcelで整理する作業にかなりの負担がかかっていたため、これをECサイト化することで効率化を図ったのが今回のサイト構築の経緯です。お客様の環境によってビジネスホンに必要な機能や条件が大きく異なるため、都度条件を確認しながら個別にカスタマイズした見積もりを作成する必要があり、これがかなりの負担になっていたんです。
数あるサービスの中で、ecbeingを選んでいただいた理由について教えてください。
先ほどの業務効率化を実現する方法として検討していたのが、ecbeingさんのようなECサイトベースのシステムと、SFAをベースにしたシステムの2軸でした。最終的にECサイトベースのシステムでecbeingさんに決めた理由は、今回実現したいことのベースが受発注システムであったため、SFAベースにすると発注システムとの間に乖離が生じ、実現はできてもカスタマイズの量がかなり大きくなってしまうという懸念があったためです。
ECサイト系のサービスはecbeingさん以外にも数社検討しましたが、最も大きな決め手はカスタマイズ性です。パッケージ標準に近い運用を理想としながらも、従来の業務に合わせるには一定のカスタマイズが欠かせず、その柔軟な対応力とコスト面を含めて、ecbeingさんに決めました。
サイト構築以前と構築後の受注フローはどのように変わりましたか。
以前は全国に支社や支店があり、全国の担当営業が1人当たり複数のパートナー様を担当し、1人が1日10件ほどの対応にあたっていました。これを全国分集約すると年間1万件ほどになり、ここにかなりのリソースがかかってしまっていたため、システム導入と合わせて、見積もり対応を一元的に行う部署として「見積集中センター」を新たに立ち上げました。運用としては、以前はパートナー様から担当営業に直接連絡が入っていたものを、全国どこからでも同じ見積集中センターに依頼する形式に変更して一元化し、確認などは同センターから担当営業に行う体制にすることで、業務負担の軽減を目指しました。見積もりを組み上げるノウハウが必要になる点がハードルでしたが、社内の別部門の知見を得て立ち上げに至り、現在は5名ほどのメンバーが運用にあたっています。
見えていなかったエンドユーザーを可視化&パートナーに寄り添った受注フロー
カスタマイズで導入された「案件管理機能」は、どのような目的で構築されたのでしょうか。
各パートナー様の先にはエンドユーザー様がおり、受けた注文を一度パートナー様の拠点で組み上げてエンドユーザー様に納品する形になっています。そのため、これまで各担当が個別に見積もりを行っていたやり方では、受注した際にどのエンドユーザー様に当社のビジネスホンが納入されたかという情報を追うことができていませんでした。そこで「案件」という単位を設け、どのような見積もりを出したのかを紐づけて管理することで、どのエンドユーザー様に、いつ、どのような見積もり構成で受注したのかを一括して把握できるようにこの機能を導入しました。
そのデータの活用方法としては、ビジネスホンの入れ替えのタイミングは概ね5〜6年周期であるため、その時期に合わせてお客様への提案や、その情報をパートナー様にも提供する形を考えています。その他の活用についてはこれからの検討課題となっています。
サイト上でパートナーが見積依頼をできるようにカスタマイズされていますが、依頼から回答までの流れを教えてください。
パートナー様からメーカーであるOKIへ以前は当社営業に「こういう条件でお客様から依頼を受けたがどのように進めるべきか?」という相談が寄せられていました。
よく分からない場合、仕様に合っているかを確認したい場合、既存の他社製品から当社製品に切り替える場合の組み方など、こうした元々営業が受けていた相談を、現在は見積集中センターが引き受けて対応するようにしています。
これまではメールや電話で記録に残らない形になっていたやり取りを、お客様が表現しやすく、かつ当社としても理解しやすい共通フォーマットに落とし込むため、見積作成依頼の機能を設けていただきました。
見積依頼とは別で、Excel形式の見積書を発行できる「積算ツール」があるようですが、それに対するExcelアップロードによるカート一括投入の機能についても教えてください。

先述の見積作成依頼を利用いただくのは、どちらかというとあまり使い慣れていない方が中心で、使い慣れている方々は当社が提供しているマクロファイル(「積算ツール」)で、ベースとなる情報や構成に不備がないかを確認したうえで発注を進めています。こうした方々はそのまま発注を進めていくため、その品目情報をExcelアップロードで直接カートに読み込ませる仕組みを準備しました。発注点数についても1〜2点というより10品目以上、20品目ほどになることが多いため、その都度カートへ入力する運用は非効率だと判断し、この機能について相談させていただきました。
マイページ型のトップページに込めたデザインの狙い
貴社サイトのフロントトップは一般的なBtoB ECサイトと異なり、マイページのような見た目になっていますね。どのような意図があったのでしょうか。

「Tele Smart Order」 TOP画面
パートナー様の担当者には今までメール、電話、FAXでコミュニケーションを取っていたことと同じように自然に対応できるようにシンプルな構成にすることを前提としました。加えて、担当者がご自身でカートに商品を入れていく操作が全体の中心になるというよりも、当社として必要な案件情報などを確実に取得するために、マイページ形式で段階を踏んで処理していただく設計を意識しています。
当社には硬いイメージがあることから、そこを少し柔らかい印象にしたいという意図もありました。新しい取り組みをしていることを表現したいと相談し、メインビジュアルの色味も当社のイメージカラーである赤とはあえて異なる色を採用し、丸みのあるデザインや配色にするなど工夫しています。
また、頻繁に発注する担当者もいれば年に数回しか注文しない担当者もいるため、常にトップページに「これをする時はここ」という案内を表示しておきたいと考え、簡潔に分かるものとしてご利用フローを設置するなどの工夫もしています。
ecbeingのデザインチームの方々にはロゴ作成からサイトレイアウトまでこちらの抽象的なイメージをしっかり具体化していただくことができてありがたく思っています。
段階的な導入で、社内とパートナー双方の理解を醸成
BtoB ECを構築したものの今までと業務フローが変わることに抵抗があり、理解を得ることに苦労するケースが多いのですが、御社の場合は社内外の反応はいかがでしたか。

従来のフローと異なる部分があるため、当社営業から多少の抵抗があったのは事実です。ただ、従来の運用をできるだけ踏襲したフロー設計にしたことで、これまで通り見積もり積算ができるなど、従来通り対応できる部分をアピールしながら、段階的に営業からの理解を得ていきました。一方、パートナー様からは営業ほどの抵抗はなく、意外とすんなり受け入れてくれるところが多くありました。他システムの利用経験があるところほど受け入れやすかったのではないかと考えています。
4月に2社、5月にはさらに2社、という形で徐々に導入企業を増やしていらっしゃいますが、この計画・戦略はどのようにして考えられたのでしょうか?
まずはデッドラインとして年度内に100社強のパートナー様全社へ展開することを目標に計画を立てました。そして、このようなシステムの利用経験があるパートナー様から導入を開始し、いわば率先して協力してくれる存在(エバンジェリスト)を見つけることを重視しました。2社ずつに絞って伴走しながら課題を洗い出し、その課題についてecbeingの担当者さんと検討を重ねながら、今後、多くのパートナー様を取り込んでいく計画で進めています。
実際に運用を開始してから見えてきた課題としては、パートナー様側の支社体制や当社の手配部門の管理方法が複雑に絡み合っているケースです。支社が複数ある場合など、当社の手配部門が混乱せずに出荷対応を進められるようにする点が最も大きな課題でした。データ連携の面でも、受け取る側に必要なデータ形式について実際に運用してみて分かった部分がありました。
ecbeingとの伴走で実現した、構築の推進力と確かな手応え
構築当時及び現在対応する弊社スタッフの対応はいかがでしたか?
当社からの質問に対して持ち帰りにならず、その場で回答をいただける点は、他社と比較して大きな差別化ポイントだったと感じています。レスポンスの速さも含め、非常に助かりました。当社としてもこうしたシステム構築の経験がほとんどないメンバーで進めていたため、分からないことがある中で都度相談し、迅速に回答をいただけたことで、何とか形にすることができました。
構築中に苦労された点、想定外だったことはありましたか。
想定外の出来事は多くありました。要件はある程度固まっていたため、その通りに進めれば問題ないだろうという見立てがありましたが、実際に着手すると部門ごとに異なる意見が出たり、構築の中でも機能面での代替案の検討が複数発生し、それに伴う運用変更も同時に進める必要があったりととても苦労しました。見積集中センターの立ち上げと並行して基本設計書のレビューも行わなければならず、何を確認すべきか、テスト項目をどう設計すべきかといった点も都度相談しながら進めていきました。
ecbeingを導入したことによる効果について教えてください。
具体的な数値としての効果検証は現時点では難しいところですが、見積もりを作成し、手配部門がその後工程を担う流れの中で、実際にお客様との注文対応が回る状態を構築できたことは大きな成果のひとつだと考えています。ecbeingは挙動が明確で分かりやすいため、お客様への説明がしやすく、その点も使いやすさにつながっています。
今後の展望について
今後ecbeingを活用して取り組んでいかれたい構想や戦略についてお聞かせください。

直近の目標としては、構築したシステムを全国すべてのパートナー様に利用いただくことです。長期的には、保有することになるエンドユーザー様の情報をマーケティングに活用したいと考えていますが、具体的な活用方法が定まっていないことと、データが十分に整理されていないという課題があります。まずは整理・精査したうえで活用方法を検討し、ECサイトから得られるデータの活用方向についてもecbeingさんからの提案に期待しています。
新規構築を検討されている方に向けて、メッセージをお願いします。
何を実現したいかというゴールと、現状に対してどうありたいかという「To Be」の部分をしっかり固めたうえで、それをどう実現するかを相談していくというステップが重要だと考えています。
ecbeingさんは初心者にも親身に相談に乗ってくれ、標準パッケージをベースにしながら柔軟なカスタマイズにも対応してもらえる点が魅力です。ただし、すべてをカスタマイズで対応しようとするとコスト・運用の両面で変化を生みにくくなるため、ある程度は標準パッケージの考え方に歩み寄ることも大切なポイントだと思います。





















