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【EC担当者必見】カスタマーポータルとは?
構築のメリットや注意すべき点を紹介!
構築のメリットや注意すべき点を紹介!

近年、新規顧客の獲得が以前より難しくなっていることから、既存顧客との良好な関係構築がこれまで以上に重要視されています。そうした中で、注目を集めているのが「カスタマーポータル」です。法人向けECサイトやBtoBプラットフォームなどで導入が進んでおり、「注文履歴の管理」や「情報の更新」、「FAQ」、「お問い合わせ」など、さまざまな機能を一元化できる点が特徴です。クレジットカード会社のマイページ、大学の学生専用サイト、サブスクリプションサービスの会員ページなども、カスタマーポータルの一例といえるでしょう。カスタマーポータルの導入は、単に顧客の利便性を高めるだけでなく、顧客との関係性を強化し、顧客の囲い込みにも大きく貢献します。本記事では、カスタマーポータルの概要や導入によるメリット、構築時の注意点などについて詳しく解説します。

カスタマーポータルサイトも構築可能なecbeing BtoB
資料ダウンロードはこちらカスタマーポータルの主な機能
カスタマーポータルが備えている機能としては、主に以下のような機能が挙げられます。
会員情報管理(氏名・住所・支払方法の変更)
登録している住所や氏名、支払い方法などを確認・変更できる機能であり、基本的にほとんどすべてのカスタマーポータルに搭載されている標準機能です。中には会員情報を属性ごとに分類し、分析できるサービスもあります。
注文・利用状況の閲覧(注文履歴、納品状況の確認など)
利用しているサービス、機器の一覧や、これまでの購入履歴、注文している商品の状況などを確認できる機能です。こうした機能をカスタマーポータルに備えておくことにより、取引先はこの画面を見て状況を確認できるようになることから、取引先からの問い合わせが減り、問い合わせ対応のコストの削減にもつながります。
関連商品の調達(消耗品の定期発注や追加購入)
製品によっては、その製品に紐づくパーツや消耗品が定期的に必要になる場合があります。そういった小規模な取引の際に営業に注文の依頼がくると、本来対応したい大口の大規模な取引への対応がおこなえなくなるということも考えられます。
このような業務の注力割合をコントロールするため、過去に購入された製品に紐づくパーツや消耗品等の商材を、利用機器一覧などから簡単に購入可能にする機能を用意することもあります。
資料ダウンロード(マニュアル・カタログなど)
カスタマーポータルサイトに資料ダウンロード機能を追加することで、マニュアルや最新情報をタイムリーに入手することができます。
営業に問い合わせ、情報をもらうというフローを挟まないことで、顧客はタイミングを問わず必要な情報を迅速に取得できるようになるだけでなく、企業はサポート効率を向上させ、情報提供の対応にかかる工数の削減も可能になります。
メール配信・通知設定(新着情報、キャンペーン案内等)
商品やサービスの最新情報の配信や購入履歴に応じたおすすめの商品の紹介、クーポンの配布やキャンペーンの開催などのお得な情報を取引先に向けてメールで配信する機能です。
FAQ・セルフサポート(よくある質問・トラブルシューティング)
利用者が問い合わせを行う前に問題を解消できるよう、利用者から問い合わせされることが多い事項をFAQ(よくある質問)としてまとめて公開する機能です。
問い合わせ・チャットボット(AIや有人でのサポート)
利用者からの問い合わせを受け付ける機能です。近年では、問い合わせの機能とあわせてチャットボットを備えているサービスも増加しています。利用者からの質問に対してチャットボットがふさわしいと思われる回答を行い、それでも問題が解決しない場合に担当者につなぐ形式にすることで、問い合わせ対応にかかるコストを削減できます。
なお、以下の記事では、ECサイトへのチャットボット導入について詳しく解説しています。チャットボット導入に興味のある方はぜひ参考にしてください。
ECにも活用可能なチャットボットとは?導入のメリットと利用上の注意点を解説! | ecbeing
ChatGPTを活用し、ecbeingが開発したチャットボットシステム「AIデジタルスタッフ」について、詳しくはこちら
AIデジタルスタッフ | ecbeing
会員ランク(取引内容による個別対応も可能)
顧客の購入履歴や利用頻度に応じてランクを設定し、それぞれのランクに応じた特典やサービスを提供する仕組みです。この制度を導入することで、顧客満足度の向上に大きく貢献します。会員ランクがあることで、顧客は自分の利用状況に応じた特別なサービスや割引、ポイント付与率のアップなど、通常よりも優遇された待遇を受けることができます。これにより、「自分が大切にされている」「特別扱いされている」という実感を持ちやすくなり、長期的な関係構築にも役立ちます。
カスタマーポータル導入の必要性
カスタマーポータル導入の必要性としては、大きく以下の5点が挙げられます。
顧客との関係性強化・満足度向上
カスタマーポータルがあれば、顧客は24時間いつでも自分が必要とする情報を調べたり、サービスを利用したりできます。FAQやチャットボットなどの機能を活用するとともに製品の情報を掲載すれば、わからないことや困ったことがあっても自分で簡単に解決でき、ストレスを軽減できます。また、一人ひとりに合わせた個別の情報やサービスを提供できるので、より親密で満足度の高いコミュニケーションが実現します。
業務効率・サポートコスト削減
FAQやチャットボットの活用により、企業側も問い合わせ件数や対応工数を大幅に削減することが可能です。それによって、サポート担当者の負担も軽減します。
データ一元管理・分析によるサービス向上
顧客がどういったページを確認しているのかなど顧客の行動ログを分析して、顧客がどういったことに関心を持っているのかを調べ、問い合わせの多い内容に対してFAQの整備や、商品・サービスの品質改善・新規提案に活用できます。
限定コンテンツ配信・アップセル・クロスセル
会員限定情報やクーポン、関連商品の提案など、個別のマーケティング施策が実現します。
継続率・LTV向上
カスタマーポータルを備えていることで利便性・安心感が高まり、顧客の離脱防止やリピーター化を促進します。
カスタマーポータル導入のデメリット
カスタマーポータルは顧客満足度の向上に不可欠な一方で、次のようなデメリットもあります。
構築・運用コストがかかる
初期開発費やシステム管理・保守費用、運用担当者の教育・人件費など、一定の投資が必要です。
即効性は低い
顧客が新しいポータルに慣れるまでに時間がかかり、成果が見えるのは中長期的です。
操作性や動作速度への配慮が必要
情報量が多いとページ表示が重くなることもあります。UI/UX設計・インフラ選定が重要となります。
セキュリティ対策が必須
個人情報や決済情報を扱うため、情報漏洩対策・システムの堅牢性が求められます。
専門知識や運用体制の確保が必要
CMSやプラグイン、API連携など技術面の理解と管理が不可欠です。
カスタマーポータルを構築する主な方法
カスタマーポータルを構築する主な方法としては、以下の5つのパターンがあります。
ASPサービス利用
1つ目は、ASPサービスを活用して構築する方法です。ASPとは、「Application Service Provider」の略称で、インターネットを通じてアプリケーションを提供しているサービスのことを指します。自社でサーバーを用意する必要がないため、管理にかかるコストを抑えられるのが特徴です。ASPの中にはカスタマーポータルを作成するのに適しているものもあるため、そういったサービスを使って構築するのがおすすめです。
ただ、ASPで作成できるカスタマーポータルは汎用的なもので、カスタマイズ性は高くありません。カスタマーポータルに必要な要件は企業によって異なるため、場合によっては要件を満たすカスタマーポータルを構築できない可能性もあるため注意が必要です。
CMS(WordPress等)利用
2つ目の構築方法として、CMSでもカスタマーポータルを作成することができます。CMSとは、「Contents Management System」の略称で、Webサイトを構成しているコンテンツを簡単に作成し、管理できるサービスのことです。代表的なサービスとしてはWordPressなどが挙げられます。CMSを使って一から構築する方法のほか、すでにCMSを使って自社のサイトを作成している場合、プラグインを活用することでそのサイトにカスタマーポータルを追加することも可能です。ただし、この方法で構築することはCMSの基本的な操作だけでなく、プラグインの導入や設定ができること、必要に応じてPHPやHTML/CSSなどのコード編集ができること、セキュリティやサイト運用の知識があること、トラブルが発生した場合、自分で原因を調べて対処できることなど様々なスキルが必要となります。つまり、パソコンやWebサイトの知識があまりない初心者には難しいことが多く、ある程度経験がある人(中級者)や、専門的な知識を持つ人(上級者)向けの方法となります。
フルスクラッチ開発
ASPやCMSでの構築が困難な場合は、フルスクラッチという方法もあります。上記のような既存のサービスを使わず、要件に応じてゼロから設計・開発するという方法です。自社の要件に応じて高い自由度で設計を決められるのが大きな利点です。ただし、高い自由度と引き換えに、費用・期間が大きくなります。
ノーコード/ローコードツールを使って構築する
近年注目されているのが、Bubble、OutSystems、Power Appsといったノーコード/ローコードツールを活用する方法です。プログラミングなしでログイン機能、データベース連携、ワークフローの構築が可能なため、スモールスタートやプロトタイプ開発に適しています。複雑な処理には制限がありますが、スピード重視や内製化を進めたい企業にとって、有効な選択肢です。
ECサイトにカスタマーポータル機能を追加実装する
最もおすすめの方法が、既にあるECサイトにカスタマーポータルに関わる機能を追加することです。この方法では、既存のECプラットフォームを活用するためフルスクラッチよりも短期間でカスタマーポータルとしての機能を実装可能です。
ECサイトは商品カタログ、ショッピングカート、決済システムなどの基本機能がすでに整っており、これにカスタマーポータル機能を追加することで、顧客は一元的に自分の購入した商品の状況を確認したり、個人情報を管理したり、サポートリクエストを送信したりすることが可能になります。
さらに、統一されたデータベースとインフラを使用することで、データの整合性やセキュリティも向上します。顧客情報や注文履歴が一元管理されるため、データの重複や不整合が発生しにくくなり、またセキュリティ対策も一貫して行うことができます。
ただし、いくつかの課題も存在します。既存のプラットフォームが提供する機能に依存するため、特定のカスタマイズが難しい場合があります。また、プラグインやモジュールの選定や設定に時間がかかることもあります。さらに、プラットフォームのアップデートに伴い、追加した機能が正常に動作しなくなるリスクもあります。
弊社のECサイト構築プラットフォームecbeingでは、お客様の要望に合わせて柔軟なカスタマイズが可能となっています。
カスタマーポータルとしての役割を果たすための機能実装も可能であり、ECの枠にとらわれない運用もおこなうことが出来ます。通常のECサイトではなく、カスタマーポータル機能を追加したECサイトを構築したいと考える方はぜひ一度ご相談ください。
構築方法ごとの比較表
方法 | 概要 | メリット | デメリット | おすすめのケース |
---|---|---|---|---|
ASPサービスを使って構築 | ZendeskやKARTEなど既製のSaaSを活用 | 短期間・低コストで導入可能/サポート体制が充実 | デザインや機能の自由度が低い/カスタマイズに限界 | スピード重視・定型的なサポート運用をしたい企業 |
CMSを使って構築 | WordPress等に会員機能を追加 | コンテンツ更新がしやすい/柔軟なデザイン調整が可能 | セキュリティや会員機能の拡張には専門知識が必要 | マーケティングや情報発信と連携したい企業 |
フルスクラッチで開発 | 要件に応じてゼロから開発 | 完全自由設計/既存システムとの柔軟な連携が可能 | 開発・運用コストが高い/時間もかかる | 独自要件が多く中長期で安定運用したい企業 |
ECサイトに機能を追加実装 | Shopifyなどに会員専用機能を拡張 | 受発注や会員情報を活かせる/既存基盤を有効活用 | EC外の業務連携や機能拡張に制限がある | BtoB ECと連携したカスタマーポータルを構築したい場合 |
ノーコード/ローコードツールを活用 | BubbleやPower AppsなどでGUI構築 | スモールスタート可能/開発スピードが速い | 複雑な機能要件には向かない/ツール制約あり | 簡易ポータルやプロトタイプを早く試したい場合 |
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カスタマーポータルを構築する際に注意すべき点
最後に、カスタマーポータルを構築する際に注意すべき点を3つご紹介します。
導入の目的を明確にしておく
カスタマーポータルというのは、ただ闇雲に導入しただけで効果が出るものではありません。導入にはある程度のコストがかかるため、カスタマーポータルを構築して具体的に何をしたいのか、事前に明確な目標を立てておくことが肝心です。システム選びの段階では、自社の満たすべき要件を明確に定めておく必要があります。システムを選定したあとにやりたいことができないと判明することのないよう、最初に決めておくようにしましょう。
すぐに効果は出ないことを理解する
まず、カスタマーポータルを導入してすぐに効果が出るわけではない点を理解しておきましょう。効果を出すためには、顧客にできるだけ多くカスタマーポータルを利用してもらう必要があります。そのうえでデータを収集し、必要に応じてFAQを増やしたりデータに基づいてカスタマーポータルを改修したりして改善のサイクルを回すことが重要です。カスタマーポータル構築にあたっては初期費用もある程度かかるため結果を急ぎがちですが、長期的な視点を持つようにしましょう。
外部システムとの連携ができるかチェックする
カスタマーポータルの会員情報などのデータを外部システムと連携する場合、事前に連携が可能かをチェックしておく必要があります。場合によっては、自動で連携をすることができず、手動での連携を強いられる可能性もあります。具体的にどのデータをどのシステムと連携するのか、連携はすべて自動で行えるのかなどについて、システム選びの際に担当者としっかりと打ち合わせを行い、確認しておくことが重要です。
コストを確認しておく
カスタマーポータルの構築には、時間も費用もかかります。これらのコストを正確に見積もらずにプロジェクトを開始してしまうと、業務に支障をきたす恐れがあります。そのため、あらかじめカスタマーポータルに必要なコストをしっかりと把握しておくことが重要です。コストを明確にしておくことで、適切な予算の確保や、必要な期間の調整が可能になります。また、コストを意識することで、カスタマーポータルがどれほどの価値をもたらすのかを再認識でき、必要性や目的についても見直すきっかけになります。構築にかかる費用については、さまざまな観点から十分に検討しておきましょう。
セキュリティ対策をする
カスタマーポータルでは、利用者の名前、住所、年齢、電話番号といった基本的な情報だけでなく、ECサイトの場合にはクレジットカード番号など、より機密性の高い個人情報も扱うことになります。これらのデータが万が一外部に流出してしまうと、損害賠償を求められる可能性があるだけでなく、企業としての信頼性が大きく損なわれ、場合によっては事業継続に深刻な影響を及ぼすことも考えられます。そのため、情報セキュリティ対策は決して怠らず、十分な体制を整えておくことが不可欠です。
まとめ
カスタマーポータルは、ECやBtoBビジネスの競争力を高め、顧客との継続的な信頼関係を築くために不可欠な仕組みです。適切な設計と運用により、業務効率化・コスト削減・顧客満足度向上・LTV最大化など、多くの成果をもたらします。ただ、導入にはある程度のコストがかかるうえ、すぐに効果が出るわけではありません。導入の際には目的を明確にするとともに、長期的な視点を持つことが重要です。カスタマーポータルを活用して、顧客と良好な関係を構築しましょう。
自社の業態や目的に合った構築方法・機能選定が成功の鍵。導入をお考えの際は、実績豊富なecbeingにお気軽にご相談ください。
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