
IT投資とは?「攻め」と「守り」の視点・投資額目安・ECサイト導入で加速するDX戦略

デジタル技術の進化とともに、企業経営における「IT投資」はますます重要度を増しています。
単なるコスト削減や業務効率化の域を超え、成長戦略・競争力強化・新たな価値創造のための“攻め”の投資が求められる時代です。
本記事では、IT投資の基本から、「攻め」と「守り」の違い、最新動向や投資額の目安、IT人材や外部パートナーの活用まで、幅広く解説します。
サクッと理解!本記事の要点まとめ
IT投資は本当に必要ですか?小規模な企業でも効果はありますか?
IT投資は企業規模に関わらず、業務効率化や競争力強化、リスク対策の面で大きな効果があります。特に小規模企業こそ、限られたリソースで最大の成果を上げるためにITの活用が不可欠です。
「攻め」と「守り」のIT投資は、どちらを優先すべきですか?
どちらか一方に偏るのではなく、自社の現状や課題に合わせてバランスよく取り組むことが大切です。安定基盤(守り)があってこそ、新たな成長(攻め)に挑戦できます。
IT投資の効果はどうやって測ればいいですか?
投資によって削減できたコスト(人件費など)や、売上アップ、業務効率の向上、顧客満足度の変化など数値化できる指標を設定しましょう。数値化しにくい効果も、可能な限り定量的に見積もることがポイントです。
ECサイトの導入はどんな企業におすすめですか?
BtoB・BtoCを問わず、販路拡大や業務効率化、顧客満足度向上を目指したい企業全般におすすめです。既存顧客の利便性向上だけでなく、新規顧客の獲得にもつながります。
IT投資の相談はどこにすればいいですか?
自社の課題や目標に合わせて最適な提案をしてくれる外部パートナーや専門ベンダーに相談するのがおすすめです。ecbeingでは、課題の整理から導入・運用までトータルでサポートしていますので、お気軽にご相談ください。
IT投資とは?──戦略的投資の全体像
IT投資とは、企業が自社の競争力強化や事業成長を目指して、IT(情報技術)に予算やリソースを戦略的に配分することを指します。ハードウェアやソフトウェアの導入、ネットワーク・セキュリティ強化、人材育成や外部サービスの活用まで、幅広い領域が投資対象です。
IT投資は単なる「コスト」ではなく、企業価値向上やイノベーション創出のための「先行投資」。今や、どの業界・規模の企業にとっても不可欠な成長エンジンとなっています。
「攻めのIT投資」と「守りのIT投資」とは
IT投資には大きく分けて「攻め」と「守り」の2つの視点があります。これは、単にシステムを導入するだけでなく、企業の成長戦略や持続的な競争力の確保を見据えた時に、非常に重要な考え方です。
攻めのIT投資
「攻めのIT投資」とは、新たな事業機会の創出や収益拡大、競争力の強化を目的とした積極的な投資を指します。この投資は、単なる現状維持ではなく、「企業を一歩先へ進めるための原動力」となるものです。
- ECサイトの構築・刷新によって新たな販路を開拓し、今までリーチできなかった顧客層にアプローチする
- AIやIoT(Internet of Things/モノのインターネット)の導入で業務プロセスを抜本的に変革し、従来のやり方では得られなかった生産性や効率性を実現する
- ビッグデータ分析やデジタルマーケティング基盤を整備し、顧客ニーズを正確に把握した上で最適な商品・サービスを提供する
こうした「攻め」の投資は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中心的な役割を担い、企業の成長やイノベーションの原動力となります。
守りのIT投資
一方で、「守りのIT投資」は、システムの安定稼働やリスク管理、業務継続性を確保するための基盤投資です。これは企業活動を安全・確実に進めていく上で、なくてはならない取り組みです。
- セキュリティ強化によるサイバー攻撃や情報漏洩リスクの低減
- BCP(事業継続計画)対策として、災害やシステム障害時でも迅速に復旧できる体制づくり
- 既存システムの更改や保守運用による、業務の安定運用や老朽化リスクの回避
「守り」の投資は、日々の業務の安定運用やコスト削減、さらには企業の信用維持・リスク回避のために不可欠なものです。
攻めと守りのバランスが持続的成長のカギ
いずれか一方だけに偏った投資では、激しく変化する市場環境に対応するのは困難です。
「守り」のIT投資で企業の基盤をしっかりと固めつつ、「攻め」のIT投資で他社との差別化や新たな成長を図る――このバランスこそが、持続的成長を実現するための重要なポイントです。
特に今後は、ECサイトの構築やデジタル技術の積極活用といった「攻め」の領域に投資しながらも、セキュリティや安定運用といった「守り」の領域をおろそかにしないことが、企業の競争力を高める上で不可欠となっています。
IT投資の主な対象と範囲
IT投資の対象となる分野は非常に幅広く、企業の業種や成長フェーズによっても重点が変わります。ここでは、主な投資領域を4つに分けてご紹介します。
業務効率化
日々の業務をスムーズに進めるためのIT投資は、全ての企業にとって欠かせないものです。例えば、受発注や在庫管理システムの導入によって、これまで手作業で行っていた入力や確認作業を自動化することができ、ヒューマンエラーの削減やスピーディーな業務対応が可能になります。
また、会計・人事労務システムの活用により、給与計算や経費精算、勤怠管理などのバックオフィス業務を効率化できるため、担当者の負担を大きく軽減できます。
事業成長
企業が新たな成長を目指す上で不可欠なのが、攻めのIT投資です。たとえば、ECサイトの構築やリニューアルは、リアル店舗や従来の営業チャネルに加え、インターネットを活用した新たな販路を開拓するための代表的な施策です。
また、デジタルマーケティングの強化やCRM(顧客管理システム)・SFA(営業支援ツール)の導入によって、顧客データをもとに最適な提案やフォローを実現し、売上の拡大やリピーター獲得につなげることができます。
インフラ・基盤
ITを活用したビジネスを安定的に継続するためには、インフラや基盤の整備も重要です。例えば、クラウドサービスへの移行は、システムの拡張性や柔軟性を高めるだけでなく、災害時のリスク分散やBCP(事業継続計画)対策にも有効です。
ネットワークの強化やセキュリティ対策は、サイバー攻撃や情報漏洩などのリスクから企業資産を守るために不可欠です。
人材育成・外部パートナー活用
IT投資の効果を最大限に引き出すためには、人材の育成や外部リソースの活用も見逃せません。ITリテラシー向上のための社内教育や研修をはじめ、即戦力となるIT人材の採用も重要な投資領域です。
また、自社だけで全てをまかなうのが難しい場合は、システム開発や運用保守のアウトソーシング、ITコンサルタントの活用など、外部パートナーと連携することで、より高度なIT活用やDX推進がスムーズに進みます。
IT投資額の目安・計算方法
IT投資を検討する際、「一体どのくらいの予算を確保すれば良いのか?」と迷われる方は多いのではないでしょうか。IT化やデジタル化の重要性は理解していても、適切な投資額の判断は簡単ではありません。投資しすぎて費用倒れになるのは避けたい一方で、必要最小限の投資だけでは十分な効果が得られない可能性もあります。
まず押さえておきたいのは、「IT投資の目安となる指標が存在する」ということです。
たとえば、一般的なガイドラインとしては「売上高の1.15%」程度がIT投資の目安とされています。(JUAS「企業IT動向調査報告書2022」より)
この比率はあくまで参考値であり、実際は、
● 企業の事業規模や業種
● 中長期的な成長戦略や経営目標
● 投資対象(インフラ整備だけか、ECサイトの新規構築や高度なIT活用まで含むか)
によって最適な投資額は大きく異なります。
IT投資額を検討する際は、単に「導入コスト」だけでなく投資がもたらす効果や成果にも目を向けましょう。以下のポイントを押さえて試算するのがおすすめです。
- 投資によって削減できるコスト(例:人件費の削減など)
- 投資による売上アップ・利益増加の見込額(販路拡大による売上増など)
- 数値化が難しい効果も仮に数値化して見積もる(納期短縮、顧客満足度の向上など)
また、導入を検討しているシステムやサービスについては複数社から見積もりを取り、内容やサポート体制も含めて比較検討することが重要です
ECサイト導入によるIT投資の成功事例
IT投資の効果を最大化するには、実際の導入事例から学ぶことがとても有効です。ここでは、当社が手がけたBtoB ECサイト構築の事例をご紹介します。
株式会社日阪製作所様:EC化で新規顧客獲得&売上20倍を実現
従来の営業活動ではアプローチできなかった新規顧客へのリーチや、既存顧客のEC会員化を推進。顧客ごとの価格設定や会員限定特典の導入、営業部門との連携強化により、新規会員登録数・EC売上ともに大幅増加(売上は20倍)、業務効率化も実現しました。

林純薬工業株式会社様:ECリニューアルで購入率3倍・業務負担を削減
従来のASPカートから当社ECプラットフォームへリニューアルし、厳格な会員審査、資料ダウンロード、個別価格照会など業界特有の要望に対応。購入率が3倍に向上し、営業・顧客双方の作業負担も大きく軽減されました。

まとめ
IT投資は「守り」と「攻め」の両輪で進めることが、企業成長の鍵となります。投資額は売上高の1.15%前後を目安に、自社の課題や戦略に合わせて最適化しましょう。社内にIT人材がいない場合は、外部パートナーの活用も有効です。ECサイト導入は、業務効率化や売上拡大に直結する攻めのIT投資です。まずは課題の整理から、お気軽にecbeingまでご相談ください。

株式会社ecbeing
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